意外と知らない!?歯の神経をとるとどうなるのか。

意外と知らない!?歯の神経をとるとどうなるのか。

コラム

意外と知らない!?歯の神経をとるとどうなるのか。

2020.08.08

梅雨が明け、毎日暑い日が続いていますね。

熱中症にならないようにしっかりと水分補給しましょうね!

さて、今日は「歯の神経をとる」とはどういうことなのか、お話します。

まず、歯はこのような3層の構造になっていて、象牙質(ぞうげしつ)の内側は、

「歯髄(しずい)」と呼ばれ、神経や血管が集まっています。

虫歯の大きさが大きく、歯の歯髄まで達すると、

神経をとる治療をしなければなりません。

この場合、かなり虫歯の進行度が進んでいる状態です。

ここからは、神経をとるとどうなるのかお話しします。

・治療回数が数回かかる

歯の形がみんな違うように、神経もひとりひとり違います。

歯ごとにも違うため、とっても複雑なんです!

そのため、すべての神経を取り除き、感染した根っこの中を綺麗にするには

何度か消毒を繰り返す必要があります。

その後、綺麗になった根っこに薬剤を入れて土台を立て、

被せものの歯型とり、被せもののセットと治療は続くので

虫歯治療と比べると回数や期間が多くかかります。

・歯の寿命が短くなる

歯の神経と、そのまわりにはたくさんの血管が通っています。

この血管から、栄養や水分を送っているため、歯が割れずに固い状態を保てています。

しかし、神経治療は神経のまわりの血管も取り除くことになるため歯の寿命が短くなります。

噛み合わせや歯ブラシの仕方などでも大きく変わるので、どのくらいもつのかは一概には言えませんが、神経をとる前よりは脆くなってしまいます。

・歯の色が変わってしまう

前歯の神経治療の場合、削る量を最小限にして、

被せものをせずに、そのままご自身の歯を使う場合があります。

(神経治療で穴のあいた箇所は、虫歯の治療でも使われるプラスチックのフタで埋めます)

そのような場合、年月が経つとだんだんと歯の色が

グレーがかった黒っぽい色に変色してきます。

・神経をとっても痛みを感じる場合もある

①治療中、刺激が加わることによる痛み

歯の神経は、脳までつながっています。神経をとる、というのは言い換えると

脳までつながっている神経を歯髄の部分で切断する、ということです。

歯の内側の神経をとったとはいえ、歯の周囲の「歯根膜(しこんまく)」や、歯を支えている骨「歯槽骨(しそうこつ)」の部分では痛みを感じる場合があります。

施術中は、根っこの中に刺激が加わります。治療中は麻酔をして痛みはなくても、麻酔が切れてから、治療中の刺激によってお痛みがでる場合があります。

また、炎症が強く根管内や根管の先に膿が溜まっている場合にも、痛みが出たりや歯ぐきが腫れたりすることがあります。

②まだ神経の一部が残っている

歯の神経は複雑なので、一度ではきれいに取り除けていなかったということもあり得ます。

残った一部の神経が治療で刺激されてお痛み感じる時があります。

数回神経治療を繰り返し進めていくうちに除去されます。

③根っこに薬剤を詰める際の刺激による痛み(根管充填)

根管治療が終了して、根っこに、薬剤を詰める際にも痛みが生じることがあります。

治療後の再感染を防ぐため、根っこには薬剤を密に詰める必要があります。

この薬剤を詰めた時の圧力で刺激が加わり痛みを感じることがあります。

神経の治療中や治療後には、様々な原因によって痛みが出ることがあります。

痛みが強かったり、長引いたりしている際は、ご相談ください。

・神経をとったからと言って虫歯にならないわけではない

神経をとったからといって「一生虫歯にならない!」というわけではありません。

根管治療を終えた歯も、定期的な検診や日々の清掃を怠ると虫歯になります。

また、根っこの中の感染物が綺麗にそうじしきれずに被せものをした場合や、

まだ発見されていない根の管がある場合など、痛みが出たり、根の中が膿んでしまったりして再治療が必要なことがあります。

根の管の治療(根管治療)は非常に難易度の高い治療です。

通常の治療では肉眼で、細い管の中を手探りで治療することになります。

しかも口の中は光が届きにくく暗いため、正確な治療が困難な場合が多くなります。

神経治療を繰り返している方や神経治療をしたのにずっとお痛みが引かないという方は

もしかしたら汚れの取り残しがあったりするのかもしれません。

当院では、「マイクロスコープ」を使用した精密な根管治療も行っています。

マイクロスコープ

マイクロエンドでは、根っこを拡大しながら治療を行うので、

手探りでなく、目で確認しながら治療することで汚れの取り残しのリスクを

少なくすることができます。

また、マイクロエンドでは、「ラバーダム」という器具使用し、治療する箇所以外をゴムのシートで覆い治療します。

唾液の中には細菌が多く存在します。そのため、治療中に唾液が根管に入ってしまうといくら奇麗にしようとしてもまた中を汚してしまうことになります。



ラバーダムを使用することで、治療する部位の無菌化を図ることができ、より成功率を高めることができます。

根管治療

~終わりに~

歯の神経をとる治療はできるだけしたくありませんよね、、( ;∀;)

小さな虫歯治療だと、治療が1回ですみますし、期間も治療費も少なく済みます。

「しみる」、「少し痛みがある」といった症状は、放っておかずにすぐに受診するようにしましょう。

また、小さな虫歯はお痛みを感じていない場合もありますので、

定期的に歯科医院でチェックすることが大切です。