歯を失ってからでは遅い!!歯周病の怖さと、治療・予防について

歯を失ってからでは遅い!!歯周病の怖さと、治療・予防について

コラム

歯を失ってからでは遅い!!歯周病の怖さと、治療・予防について

2021.01.30

「痛みがおさまった」、「治療回数がかかる」などといった理由から治療を中断してしまう方も多い歯周病の治療。ですが、とっても怖い病気です。今日は、歯周病の治療の必要性とメンテナンスの大切さをお伝えできればと思います。

~歯周病はこんなに怖い病気!~

「歯の抜ける」or「抜歯の診断になる」原因トップ3。

1位:歯周病

2位:虫歯

3位:歯が欠けたり、根っこが割れたり

歯を失う一番の理由は歯周病です。歯周病は「サイレンディジーズ」とも呼ばれているほど、かなり進行するまで自覚症状がなく気が付きにくく、「痛い!」、「歯が揺れてグラグラする」、「膿が出る」、などといった症状が出る頃には手遅れで、歯を失ってしまうことも少なくありません。

また、歯周病はお口の中だけでなく、全身に関わる病気であることが近年わかってきました。歯周病菌は、毒素や炎症物質などをたくさん出します。有害な物質が血流に乗って全身に流れ、下記のような病気に繋がります。

血流が悪くなることによって起こる病気

動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞

心臓内部での炎症

 心内膜症

細菌が唾液と共に肺に流れ込み起きる。

 肺炎、気管支炎、誤?性肺炎

その他にも…

糖尿病の悪化、消化器疾患、肥満、間接リウマチ

早産や低体重出産のリスクの増加

~歯周病はこうやって進行します!~

歯垢(プラーク)とは、お口の中の細菌がかたまりになったものです。歯の表面に付いている黄白色のねば~っとした”アレ”です!歯垢(プラーク)には、歯周病の原因となる細菌が含まれており、細菌が出す毒素によって炎症を起こします。歯垢(プラーク)は歯ブラシによって落とすことができますが、口の中のカルシウムにより硬い歯石に変わると、歯ブラシでは落とすことができなくなります。歯石はザラザラしているため、さらに歯垢(プラーク)が付きやすくなってしまいます。徐々に歯周ポケットが深くなり、やがて歯を支える骨まで溶かします。ひどい場合は歯が抜けたり、抜歯せざるおえない状態になります。

~歯周病治療の流れ~

歯周病の治療は検査をし、まずは歯石をとることから始まります。歯茎の表面についているプラークや歯石は、超音波の器具を使って取り除きます。歯茎の奥深くにこびりついている縁下歯石は、ガチガチに固まっているので除去しづらく、数本ずつ丁寧に除去していきます。歯茎の中を触るので一時的に腫れたり出血したりすることがあります。(お痛み強い場合は麻酔を行いますのでお伝えください。)そのため、数回にわけて治療します。また、歯周病の治療の流れや1回でできる治療内容や部位は、保険診療のルールでも決められており、歯周病が重度だとその分回数や期間がかかります。

歯石をとって汚れを取ると、だんだんと歯茎の状態もよくなり引き締まって出血もなくなっていきます。歯周ポケットの深さが浅くなり、維持できれば定期健診に移行します。

それでも改善されない場合は、歯周外科処置を行います。

~歯周病の予防において大切なこと~

毎日のセルフケア

丁寧に磨いているつもりでも、ブラシが当たっておらず、磨き残しのある方が多くいらっしゃいます。毛先やヘッドの大きさなど様々な種類の歯ブラシがあるのでご自身に合ったブラシで、正しいブラッシング方法を身に着けることが大切です。また、重要なのが、フロスや歯間ブラシを使った「歯と歯の隙間のケア」です!歯ブラシでは6割の汚れしか落とせておらず、フロスや歯間ブラシも併用して使ってやっと9割の汚れが落とせるそうです。大事なのは食べかすをとるのではなく「細菌をとる」、ということを意識しながら擦り取るようにしましょう。

定期的な検査やクリーニング

歯の隙間や歯の奥・裏側など磨きにくい箇所は、頑張っていてもセルフケアで100%プラーク(歯垢)を落としきることはできません。また、「歯石」は、硬くて歯ブラシでは落とせないので、歯科医院で除去する必要があります。定期的な検査と専用器具を使ったプロのケアを受けることが大切です。

~定期的な検査やクリーニングの必要性~

被せものや詰め物がとれた、痛みがあるなどの症状がないと歯医者には行かないという方も多いと思いますが、当院では定期健診の大切さをお伝えしています。

・「沈黙の病気!」自覚症状があまりないので気が付きにくい…

歯周病はサイレント・ディジーズ(沈黙の病気)と呼ばれているように、自覚症状があまりなく静かに進行していく病気です。痛みや腫れの症状が出た頃には手遅れ、ということも少なくありません。自分では気が付きにくいからこそ、歯科医院での定期的なチェックが重要です!

・歯周病が改善されても再発しやすい病気

治療によって歯周ポケットの深さが正常に戻っても、炎症が起きていた箇所は、またプラーク(歯垢)や歯石が溜まりやすい箇所です。再発を防ぐのは容易ではないので、治療後も歯科医院でメンテナンスをして様子をみることが必要です。

・セルフケアだけでプラークを取り除くのは難しい

お家の毎日のケアはもちろん大切ですが、完全には汚れを取り切ることはできません。お部屋の掃除も、普段掃除できていない箇所は年末に大掃除しますよね。お口の中も一緒です。普段のケア・定期的な歯科医院でのクリーニング、どちらも大切です。

~最後に~

できるだけご自身の歯を長く使っていただきたいと考えています。中断せずにしっかりと治療し、その後のメンテナンスも大切にしましょう。