お口の中の”セルフケア”どのようにされていますか?

お口の中の”セルフケア”どのようにされていますか?

コラム

お口の中の”セルフケア”どのようにされていますか?

2020.05.19

 歯の寿命を長くするには、歯科医院での定期的なメンテナンス。そして、お家での「セルフケア」がとても大切です。みなさんはどのようにケアされていますか??

 歯磨きで大事なことは、食事で付いた食べかすを取り除くことではなく、「口内の細菌を取り除く」ことです。しっかり歯を磨くことはもちろん、プラスアルファーのケア加えることで、「虫歯」や「歯周病」のリスクが軽減されます。普段のケアを見直してみましょう。

🔵どんな歯ブラシ使っていますか?

 ヘッドの大きさやブラシのかたさ、さまざま種類のハブラシが売られています。歯や歯の生え方などそれぞれ違うので、自分に歯に合った磨きやすいものを選んでください。迷ってしまう方は専門のアドバイスを受けるのが一番です。歯みがき指導も行っておりますので、ご相談ください。

 また、清潔な歯ブラシを使っていないと、お口の中もきれいにはなりません。使用した歯ブラシは汚れをキレイに洗い流して風通しの良い場所で保管しましょう。湿ったままだと菌が繁殖してしまうので、立てて乾燥させるようにしましょう。持ち運ぶ携帯ケースに入れる際は、水気をしっかりと切って保管して下さい。

 歯ブラシの使用期間はだいたい1カ月とされています。今使っている歯ブラシは、毛先が広がっていないですか?広がると、毛が届かなくて汚れが落ちにくくなります。長く使用している方は新しいものに取り換えましょう。

🔵歯磨き剤

~選ぶポイント~

低研磨・研磨剤なし

 研磨剤の入ったものは、汚れを落とせますが、大切な歯のエナメル質も削れたり、歯肉が下がったり傷つけてしまいます。低研磨のものを選びましょう。

フッ化物配合

 フッ素は、脱灰を抑制し、「再石灰化」を促進するので、虫歯のリスクが低減します。フッ化物配合で、高濃度のものを選びましょう。お口をゆすいだ後も、フッ素が口腔内にとどまります。フッ素濃度が、1000ppm以上のものが汚れを落とせる基準のようです。成人~高齢期の方は1450ppmのものを。お子様の場合は、乳幼児(~5歳)までは500ppm、学齢期は950ppm配合のものをお勧めします。

  • 少ない泡立ち・やさしい香味

 泡立ちが良いと、お口に泡がすぐに溜まってしまい、ブラッシングの時間が短くなってしまいます。また、香味が強いとすっきりした感じはするので、しっかりと磨けていなくても、磨いた気になってしまいます。泡立ち少なく、抵香味のものを選ぶことで、丁寧にブラッシングができ、少ない洗口ですみます。(うがいは最低限の1~2回5秒程度にすると、歯磨き剤に入っているフッ素がお口の中にとどまります。)

~適切な量~

 歯磨き剤のちょうどよい量はこのくらいです。

・3~4歳:えんどうまめ5㎜

・6~14歳:1㎝

・15歳以上:2㎝程度

🔵磨き方のポイント

・前歯:1本の歯を縦に3つに分けるイメージでブラシを縦にあてて磨く。

・歯肉ポケット:毛先は根っこの方向に斜め45℃くらいにして当て、やさしく小刻みに動かす。

・前歯の裏側:ブラシの先端で1本ずつ磨く。縦にあてるように。

・奥歯の裏側:ブラシが入りづらく、磨き残しが多いポイントです。口を少し閉じぎみにすると、奥に隙間ができるので当てやすくなります。また、「タフトブラシ」を使うのもオススメです。

🔵その他のポイント

・歯ぐきのマッサージ:健康なもりもりとした歯ぐきになります。強くこすりすぎると、歯肉の退縮などおこし、知覚過敏を併発してしまうので、円を描くようやさしくマッサージするようにしましょう。

・うがいは最小限にする:フッ化物も流れてしまうので歯みがきの後のうがいは最低限に。1~2回、5秒程度のぶくぶくうがいにしましょう。

・歯みがき後、1~2時間は飲食を控える:せっかくキレイに磨いたのに、歯磨き剤のフッ素の効果が弱まってしまいます。

🔵プラスアルファのケア

 歯ブラシだけでは口腔内のすべての汚れを落とすことはできません。歯と歯の間は、虫歯や歯周病の予防に重要ですが、歯ブラシの毛先が届きにくい場所でもあります。歯ブラシで落とせる歯垢は約6割程度デンタルフロスや歯間ブラシを合わせて使用することで、やっと9割程度除去できると言われています。デンタルフロスや歯周ブラシも併用して使ってみましょう。

~フロス~

・45℃の角度でフロスを入れて、のこぎりを引くようにゆっくりと動かす

・左右の指に巻き、フロスを入れる

・歯の面に沿わせながら左右の歯肉の溝にも挿入

・プラークを掻き揚げるようにしながら、しずかにやさしく糸を抜く

・フロスは同じ部分を通さずに、常に新しいきれいなフロス部分を挿入する

~歯間ブラシ~

・繋がった被せもの(ブリッジ)の間、歯と歯の隙間が広い場所を磨くのにオススメ

・サイズはいくつかあります。歯のすき間の大きさに合ったものを選ぶ(歯根の摩擦が生じたり、歯と歯の間を広げてしまうので、大きさは衛生士さんにみてもらいましょう。)

~タフトブラシ~

・先が小さいので歯ブラシが届きづらい場所も磨くことができます。

(歯並びが悪いところ・奥歯の奥・矯正装置のまわり・前歯の裏・かぶせもののまわり・抜けた歯のまわり・背の低い親知らず・生えている途中の生え変わりの歯など)

・毛先を当てて小刻みに振動させるように磨く。

・歯頸部付近に当てて、歯肉をマッサージにも使えます。

🔵最後に

 ご自身のセルフケアはどうでしたか?ポイントを意識しながらケアしてみてください。もちろん、しっかりセルフケアをされていても落としきれない汚れもあるので、定期的に歯科医院で健診・クリーニングも通うようにしましょう。