歯ブラシをしっかりしているのに虫歯が…磨き残しを少なくするためのブラッシング方法

歯ブラシをしっかりしているのに虫歯が…磨き残しを少なくするためのブラッシング方法

コラム

歯ブラシをしっかりしているのに虫歯が…磨き残しを少なくするためのブラッシング方法

2021.07.08

毎日しっかり磨いているのに「なぜか虫歯になってしまう。」そんな方はいらっしゃいませんか?毎日掃除機をかけていても、掃除機の届きにくい部屋の角の隅などほこりの溜まってしまう箇所がありますよね。歯ブラシも一緒で、ブラシを当てにくい箇所や磨き方の癖があるため、丁寧に磨いているつもりでも磨き残しがある方が多くいらっしゃいます。少しでも磨き残しを減らすためには「正しいブラッシング方法を知ること」、「磨きにくい箇所を知って意識して磨くこと」、「補助清掃器具を使うこと」が大切です。

今回は磨き残しを少なくするため、ブラッシング方法や気を付けて磨く箇所などお話します。

~正しいブラッシング方法を知ろう~

★力が入りすぎていませんか?強く磨くと汚れが落ちるというわけではありません。力が入りすぎると毛先が倒れてしまい、歯にブラシが当たらなくなってしまったり、歯茎を傷めたりしてしまいます。歯ブラシもすぐにダメになってしまいます。毛先が広がらないくらいくらいの軽い力で磨くようにしましょう。力が入りすぎてしまう方は、ペンを握るように歯ブラシ持って磨いてみてください。

★当たり前ですが、ブラシが当たっていなければ汚れは落とせません。歯は小さくて、でこぼこしているので、全体を磨くのはとても難しいです。いろいろな角度から1本1本丁寧に磨きましょう。1本1本磨くとなると結構時間がかかります… !忙しくて1日に何度も時間をかけて磨くのが難しい方もいらっしゃると思います。寝ている間は洗浄効果のある唾液が少なく、虫歯になりやすい時間帯ですので、就寝前だけでも時間をかけて しっかりと磨くようにしましょう。

★順番を決めて磨くと磨き忘れが少なくなります。

磨き方

【歯の噛む面】:ブラシを垂直に当てて1~2本ずつ小刻みに、優しく磨く。

【歯と歯ぐきの間】:ななめ45度に当てて磨きます。歯と歯ぐきの間の汚れを落とすと同時に歯ぐきのマッサージの効果もあります。歯ぐきが健康な方は歯ブラシを直角に当ててマッサージしても大丈夫です。

【歯と歯の間】:ブラシを縦にして磨きます。歯と歯の隙間は歯ブラシだけでは汚れは落ちません。フロスや歯間ブラシも使用しましょう。

【歯の裏】:磨きにくくて歯石が溜まりやすい場所です。歯ブラシを立てて、ブラシの角を使って汚れを引っ掻き出す感じで磨くと良いです。

【奥歯】:頬や骨が邪魔して磨きにくい箇所です。歯ブラシを入れにくいときは、少しお口を閉じぎみにすると歯と頬や骨の間に空間ができ、ブラシが届くようになります。舌側は、歯ブラシが入りやすい方向にお顔を傾けて、歯に平行に当てるようにすると磨きやすいです。奥歯の奥(裏側)もブラシが届きにくいので、ブラシの先端を当てるようにしてみてください。

磨きにくい箇所を知って、その箇所を意識して磨く。

みなさん、ご自身の歯がどのように生えているのか知っていますか?どのように歯が生えていて、何本生えているのか、歯と歯肉の境目はどこか、磨きにくい箇所はどこか、まずはご自身のお口の状態を知ることが大事です。慣れない間は、鏡を見るようにしてみて下さい。慣れてくれば感覚でわかるようになります。

以下のような箇所はブラシが当てにくいので意識して磨いてみて下さい♪

・噛む面(でこぼこしているので虫歯を作りやすいです。小刻みに動かすことがポイントです。)

・歯並びによって歯が重なっている箇所

・生えている途中の歯や背の低い歯

・奥歯の裏

ブラシが入りにくい方はヘッドが小さめの歯ブラシを使ってみてください。また、歯ブラシが当てにくい箇所は「タフトブラシ」を使うのがオススメです。小さく奥歯の奥や歯並びの悪い箇所、背の小さい歯にも届くようになります。(歯科医院かロフトさんで購入できます!)歯ブラシをした後に、磨きにくい箇所を補うブラシとしてお使い下さい。

フロスや歯間ブラシ使っていますか

歯ブラシだけでは7割の汚れしか落とすことができません。デンタルフロスや歯間ブラシも毎日使いましょう。

歯と歯ぐきの隙間の歯垢は、付き始めは白っぽくてネバネバとやわらかい状態です。しかし3日程で歯垢は硬~い歯石に変わります。そうなると歯ブラシでは落とすことができません。歯石が溜まると歯科医院で専用の器具を使ってのクリーニングが必要になります。

歯石になる前のやわらかい歯垢のうちしか歯ブラシで汚れを落とせないので、できるだけ毎日フロスや歯間ブラシを使うようにしましょう。

~その他歯みがきについて~

歯ぐきから出血がする

歯茎からの出血の原因は、①虫歯が歯ぐきまで進行している、②被せものが合っていなくて歯ぐきを圧迫している、③歯ぐきの炎症の3つです。①や②が原因の場合、特定の箇所からのみ出血します。出血の多くは③の磨き残しにより炎症が起きていることが原因です。歯茎の炎症の場合、汚れを落とすと出血もおさまってきます。血が出ているからといって磨かないようにするのではなく、しっかりブラッシングするようにしましょう。

※いずれの場合も、一度歯科医院で診てもらうようにしましょう。

■食事の後毎回の歯ブラシは難しい

毎回の歯ブラシで「1本1本丁寧に磨く」のが理想ですが、あまり時間がとられないという方も多いと思います。就寝前だけでも時間をかけて磨いたり、フロスや歯間ブラシをして下さい。

また、「日中は歯みがきする時間が無い」「悪阻で歯を磨くのが難しい」という方はマウスウォッシュを使ってみてください。ゆすぐだけでも何もしないよりは良いです。マウスウォッシュは様々な種類がありますが、口臭防止の効果だけでなく、むし歯や歯肉炎の予防効果のある「フッ素入り」を使って下さい。就寝前の歯ブラシした後に使用すると、口腔内が殺菌された状態になりとても良いので、歯ブラシが難しい方以外の方にもおすすめです。

■電動ブラシ

電動ブラシは、振動によって磨いている気になってしまい、意外と磨き残しが多い方がいらっしゃいます。歯の表面はツルツルになるので磨いたかどうかわかりやすいですが、歯と歯の隙間や歯ぐきの境目、歯の裏側、奥歯の奥などは磨けていない方が多いです。歯ブラシ同様に最初は鏡を見て磨きにくい箇所を確認しながら行うと良いです。磨き残さないように順番も決めて磨くようにしましょう。また、電動ブラシは歯ブラシのようにシャカシャカ動かしてしまうとうまく磨けません。ブラシはあまり動かさずスライドさせるようにしてください。毛先に力がかかるようになっているので、強く押し付けずに毛先を軽く当てるくらいの方がキレイに磨くことができます。歯と歯の隙間はブラシだけでは不十分なので、フロスや歯間ブラシも使うようにしましょう。奥に入れにくいようでしたら、電動ブラシが届かない箇所を先ほど紹介した「タフトブラシ」で磨くようにしてみてください。

~さいごに~

セルフケアだけでは歯科医師や衛生士であっても、自分の歯の汚れを100%取り切ることはできません!歯科医院で定期的に専用器具を使ってクリーニングすることも大切です。歯石の付きやすさにもよりますが、3~6ヵ月ごとのクリーニングをおすすめします。