インプラント治療は、歯を失った部分の歯槽骨にチタン製の歯根を埋め込み、その上にセラミックなどで作った人工歯をかぶせる治療です。
~歯を失った場合の治療方法とインプラントのメリット~
歯を失った場合の治療はインプラント治療の他にも、①両隣を削って被せものをつなげた「ブリッジ」、②両隣に金属のバネをひっかけて固定する「入れ歯」があります。「ブリッジ」は隣の健康な歯も削る必要があり、削った歯のむし歯・歯周病になるリスクが高まります。「入れ歯」は、食べるときに違和感がある、金具をかける歯に負担がかかる、歯の位置によっては金具が目立って見た目が悪くなる場合があります。
一方インプラントは、埋め込んだチタンと骨が結合してしっかりと固定するので、治療後は天然歯とあまり変わらないかみ合わせを実現できます。話しにくい、食事をしていると外れてしまうなどといったこともありません。硬いものやお肉も食べられます(^^♪また、他の歯を削る必要が無いので、他の歯に負担をかけずに治療することができます。
~インプラント治療の注意点~
治療期間がかかる
インプラントは骨に埋め込むので、歯を抜いた後、傷口部分の骨が再生されるまで期間を空ける必要があります。また、インプラントを埋めたあとも、骨にしっかりと固定されるまで待ってから、インプラントの上部の被せものを作成します。どのくらい治療期間がかかるかについては、骨の状態にもよるため3次元のレントゲン「CT」を撮ったり口腔内を診てからお話させていただいております。お気軽にご相談下さい。
骨がしっかりとある必要がある
治療予定の場所に骨がしっかりとあることが必要です。歯周病や根の感染が進んでいたりして骨が溶け、しっかりインプラントを固定させるのに必要な骨が足りない場合があります。骨が足りない場合、骨移植手術を受ける必要があったり、治療が難しい場合があります。
自由診療のため治療費が高額になる
インプラント治療は保険適用ではないので保険の銀歯のブリッジや、入れ歯と比べると費用がかかります。
インプラント歯周炎のリスク
インプラントは一生ではありません。虫歯にはなりませんが、人工歯とインプラントの接合部にプラークが溜まって炎症を起こす「インプラント歯周炎」になる可能性はあります。天然歯と比べて抵抗力が弱いため、一度細菌感染を起こすと骨吸収が急速に進行します。天然歯の歯周病と比べて「出血を起こしにくい」、「歯の揺れが少ない」など症状がわかりづらいのが特徴です。
炎症が進行している場合は、インプラントを摘出する必要があったり、インプラントが突然抜け落ちてしまうことがあります。インプラント歯周炎にならないために、治療後も定期的な検査やクリーニングにいらしていただいております。
タバコとインプラント
インプラントと骨をしっかり結合させるためには、血流が豊富でなければなりません。タバコの煙はニコチンが含まれており、血管を収縮させてしまいます。また、タバコを吸った時に発生する一酸化炭素も、血流を悪くさせる原因です。インプラントと骨がうまくくっつかなかったり、唾液が少なくなって口腔内の細菌増えやすくなり歯周病を引き起こすリスクも高まります。
~インプラントの治療の流れ~
基本的な治療の流れをお話します。
※骨の状態やインプラントの本数などによって、変わる場合があります。治療の流れや具体的な治療期間については、口腔内を検査してからお話させていただいています。
1.検査 |
虫歯や歯周病の検査・CT検査・血液や全身疾患の検査・治療のご相談
2.初期治療 |
インプラント治療前に、他の歯の虫歯治療や歯周病の治療を行います。
3.骨造成(必要に応じて) |
インプラント治療は、インプラントを埋められるくらい骨の幅や深さがあることが条件となります。骨が足りない場合は、骨を移植する手術を行います。
4.インプラント一次オペ |
インプラント(人工歯根)を埋入し、フタをして縫合、1週間後に抜糸。
その後、骨とインプラントが安定するまで待ちます。
5.二次オペ |
再び切開し、人工歯の土台となる、仮のアバットメント(被せものの土台)を付ける。
6.仮の補綴物 |
二次オペの傷口が治ってから、仮の歯をつけます。骨や周辺組織と結合して安定するまでの間は、最終的な被せものをつけることができないので、仮歯の状態になります。仮歯の期間は、インプラントを埋入した時の骨の状態やインプラントの本数、オペ後どのくらい安定しているかなどによって変わります。
7.最終補綴物 |
最終的な人工歯をセットします。
8.定期的なメンテナンス |
インプラントを長持ちさせるためには、セルフケアと、定期的なメンテナンスが必須です。治療後も定期的に検査やクリーニングにいらしていただき経過を診ております。