歯の被せ物にはどんな種類がある?費用や選び方を解説

歯の被せ物にはどんな種類がある?費用や選び方を解説

コラム

歯の被せ物にはどんな種類がある?費用や選び方を解説

2026.08.26


「歯の被せ物にはどんな種類があるの?」「保険と自費の被せ物では何が違う?」と悩んでいませんか。
歯の被せ物には、金属やレジン、セラミック、ジルコニアなどさまざまな種類があります。それぞれ見た目や強度、費用などが異なるため、治療する歯の位置や状態、希望に合わせて選ぶことが大切です。

この記事では、歯の被せ物の主な種類とメリット・デメリット、費用の目安、選ぶ際のポイントについて解説します。

歯の被せ物(クラウン)とは?

歯の被せ物とは、虫歯の治療などで大きく削った歯を覆い、形や機能を補うための人工物で、「クラウン」とも呼ばれます。
虫歯の治療で削った範囲が比較的小さい場合には、削った部分のみを補う「詰め物(インレー)」を使用できます。しかし、虫歯が広範囲に及んでいるケースなどでは、詰め物では歯の形や強度を十分に補えないことがあります。その場合は、歯全体を覆う被せ物を使って治療を行います。

また、根管治療を行った後にも、被せ物を使用することがあります。根管治療とは、虫歯などによって歯の内部にある神経や血管を含む組織(歯髄)に炎症や感染が起きた場合に、歯髄を除去して根管内を清掃・消毒し、根管充填材を詰めて密封する治療法です。根管治療が必要になる歯は、虫歯や治療によって多くの歯質が失われていることがあります。特に奥歯は噛む力がかかるため、残っている歯の量などによっては、そのままでは歯が欠けたり割れたりするリスクがあります。こうした場合には、必要に応じて歯の内部に「コア」と呼ばれる土台を作り、その上から被せ物を装着して歯を補います。

歯の被せ物にはどんな種類がある?

被せ物にはさまざまな種類がありますが、健康保険が適用されるものと、適用されないものがあります。保険が適用されない場合は、治療費が全額自己負担になります。

保険診療では、使用できる材料や適用できる条件が定められている一方、自費診療では、セラミックやジルコニア、ゴールドなど幅広い材料から選択できます。
主な被せ物の違いは以下のとおりです。

 

種類 保険適用 主な特徴
金属冠 ⚪︎ 強度が高いが、金属色が目立ちやすい。
硬質レジンジャケット冠 ⚪︎ 白く、金属を使用しない。
CAD/CAM冠 ⚪︎※ 白く、金属を使用しない。
歯の部分や使用する材料などによって保険適用の条件がある。
オールセラミック × 天然歯に近い色や透明感を再現しやすい。
ジルコニア × 強度が高く、白い材料。
メタルボンド × 金属フレームにセラミックを焼き付ける。
ゴールド × 金合金を使用し、適合性に優れている。

保険適用になる歯の被せ物

保険診療では、使用できる被せ物の材料などが国によって定められています。代表的なものが、金属冠や硬質レジンジャケット冠、CAD/CAM冠です。

金属冠

金属冠は、歯科用の金属を使用して作る被せ物です。「銀歯」と呼ばれることもあります。
金属を使用するため強度があり、噛む力がかかりやすい奥歯にも使用できます。また、保険が適用されるため、治療費を抑えやすい点もメリットです。

一方、金属色が目立つため、口を開けたときの見た目が気になることがあります。また、使用する金属によっては、金属アレルギーにも注意が必要です。

硬質レジンジャケット冠

硬質レジンジャケット冠は、歯科用の硬質レジン(プラスチック)で作る白い被せ物です。健康保険が適用されることや、金属を使用しないことがメリットです。一方、摩耗や変色が起こりやすく、強い力がかかる場所では破損する可能性もあります。

保険診療の白い被せ物にはCAD/CAM冠もあり、使用できる歯や口の中の状態などを踏まえて選択します。

CAD/CAM冠

CAD/CAM冠とは、コンピューターで設計し、専用の機械でブロック状の材料を削り出して作製する被せ物です。

白い材料を使用するため、金属冠と比べて天然歯になじみやすく、金属を使用しないことも特徴です。また、CAD/CAM冠には複数の材料があり、強度や摩耗・変色のしやすさなどが異なります。

健康保険が適用されることもありますが、歯の位置や使用する材料などによって適用条件が異なります。保険適用になるかは、歯の位置や使用する材料などによって異なるため、歯科医院で確認しましょう。

※歯の詰め物・被せ物で、気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。ご相談はこちら

 

自費診療の歯の被せ物

見た目や材料などにこだわりたい場合は、自費診療の被せ物も選択肢になります。

オールセラミック

オールセラミックは、金属を使用せず、セラミック材料で作る被せ物の総称です。なかでもガラス系のセラミックは透明感があり、天然歯に近い色調を再現しやすいため、特に前歯など見た目が気になる場所に適しています。金属を使用しないため、金属アレルギーがある方も選択することができます。

一方、強い力が加わると欠けたり割れたりする可能性があります。噛み合わせや治療する部位を確認したうえで選択することが大切です。

ジルコニア

ジルコニアもセラミック材料の一種で、強度が高いことが特徴です。白い材料でありながら丈夫なため、噛む力が加わりやすい奥歯にも使用されます。金属を使用しないため、金属アレルギーが心配な方でも選択できます。

ただし、ジルコニアにも複数の種類があり、強度や透明感などは製品によって異なります。天然歯に近い見た目をどの程度再現できるかについても、使用する材料や製作方法によって違いがあります。

メタルボンド

メタルボンドは、内側に金属のフレームを使用し、その表面にセラミックを焼き付けた被せ物です。金属による強度とセラミックによる見た目の自然さを両立しやすいことが特徴です。

一方、内側に金属を使用しているため、金属アレルギーのある方には適さない場合があります。また、歯ぐきが下がったときに被せ物と歯ぐきの境目の金属が見えることもあります。

ゴールド

ゴールドは、金を含む合金で作られた被せ物で、一般的に「金歯」と呼ばれるものです。金属のため強度があるほか、歯に適合させやすいことが特徴です。そのため、噛む力がかかる奥歯などで使用されることがあります。

一方、金色のため、天然歯のような白い見た目にはなりません。また、金などの価格によって費用が変動することがあります。

歯の被せ物にかかる費用

被せ物にかかる費用は、使用する材料や保険適用の有無によって異なります。主な費用の目安は以下のとおりです。

 

 

被せ物の種類 費用の目安
金属冠(保険) 3割負担で4,000~7,000円程度
硬質レジンジャケット冠(保険) 3割負担で3,000~5,000円程度
CAD/CAM冠(保険)※ 3割負担で6,000~9,000円程度
オールセラミック 80,000~150,000円程度
ジルコニア 70,000~150,000円程度
メタルボンド 70,000~150,000円程度
ゴールド 100,000~200,000円程度


※CAD/CAM冠は歯の部位や使用する材料などによって適用条件があります。

 

保険診療の費用は、被せ物の製作・装着などにかかる費用のおおよその目安です。初診・再診料や検査、虫歯・根管治療、土台の処置などが必要な場合は、別途費用がかかります。

また、自費診療には全国一律の料金がなく、歯科医院や使用する材料によって費用が大きく異なります。特にゴールドは、金の価格によって料金が変動することがあります。

自費診療の料金は歯科医院がそれぞれ設定しており、表示されている料金に土台や仮歯などが含まれているかも医院によって異なります。そのため、提示されている料金だけでなく、追加費用の可能性なども含めて、治療前に確認しましょう。

 

歯の被せ物を選ぶときのポイント

被せ物は、費用や見た目だけでなく、治療する歯の状態なども考慮して選ぶことが大切です。

前歯か奥歯か

被せ物をする場所によって、重視するポイントは変わります。前歯は会話や笑ったときに見えやすいため、色や透明感などの見た目を重視する方も多いでしょう。一方、奥歯には強い力が加わるため、噛み合わせを踏まえて材料を選ぶ必要があります。

ただし、「前歯ならセラミック」「奥歯ならジルコニア」と一律に決まるわけではありません。歯の状態や噛み合わせによって適した材料は異なります。

残っている歯の量や状態を確認する

被せ物を選ぶ際には、残っている自分の歯の量や状態も重要です。特に根管治療後の歯は、虫歯や治療によって歯質が多く失われていることがあります。必要な強度や土台の有無なども考慮し、歯の状態に適した被せ物を選びましょう。

見た目をどの程度重視するか

自然な見た目を重視する場合は、オールセラミックやジルコニアなどが選択肢になります。ただし、同じ白い被せ物でも、材料によって透明感や色調の再現性には違いがあります。周囲の歯との色の調和も確認しながら選ぶことが大切です。

費用や保険適用の有無を重視するか

治療費をできるだけ抑えたい場合は、保険診療の被せ物が選択肢になります。一方、自費診療は費用が高くなりますが、使用できる材料の選択肢が広がります。予算と希望する見た目や機能のバランスを考えながら検討しましょう。

金属アレルギーの心配がないか

金属アレルギーがある方や心配な方は、使用する材料にも注意が必要です。

CAD/CAM冠やオールセラミック、ジルコニアなど、金属を使用しない被せ物もあります。過去に金属のアクセサリーなどでアレルギーの症状が出たことがある場合は、治療前に歯科医師へ伝えましょう。

※歯の詰め物・被せ物で、気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。ご相談はこちら

歯の被せ物に関するよくある質問

Q.歯の被せ物は何年くらいもちますか?

A.被せ物を使用できる期間には個人差があり、数年で交換が必要になる方もいれば、10年以上使用している方もいます。材料によって耐久性に違いがあり、一般的にはジルコニアや金属は強度が高く、ガラス系のセラミックは強い力が加わると欠けたり割れたりすることがあります。一方、CAD/CAM冠は使用する材料によって性質が異なり、摩耗や変色が生じることもあります。

ただし、被せ物がどのくらいもつかは、材料だけでなく、噛み合わせや歯磨きの状態、虫歯・歯周病の有無などにも左右されます。そのため、「この材料なら○年もつ」と一概にはいえません。

被せ物を長く使用するためにも、毎日のセルフケアに加えて、歯科医院で定期的に被せ物や歯ぐきの状態を確認してもらいましょう。

Q.被せ物をした歯は虫歯になりませんか?

A.被せ物そのものが虫歯になることはありませんが、その下にある自分の歯は虫歯になる可能性があります。

特に、被せ物と歯の境目に歯垢がたまると虫歯のリスクが高まります。被せ物をした後も丁寧な歯磨きを続けることが大切です。

Q.被せ物が外れたらどうすればよいですか?

A.外れた被せ物は捨てずに保管し、できるだけ早めに歯科医院を受診しましょう。状態によっては、そのまま再装着できる場合もあります。

なお、自分で接着剤などを使って戻すと、歯や被せ物に問題が生じる可能性があるため、歯科医院で状態を確認してもらいましょう。

Q.すでに入っている歯の被せ物の種類を変えることはできますか?

A.すでに入っている被せ物を外し、別の種類の被せ物に交換できる場合があります。たとえば、金属の被せ物を白いセラミックやジルコニアなどに変更することも可能です。

ただし、交換する際には被せ物を外して歯の状態を確認する必要があります。虫歯が見つかった場合は、その治療を行ってから新しい被せ物を作ります。また、残っている歯の量や噛み合わせなどによっては、希望する種類を選べないこともあります。

見た目などが気になって被せ物を変えたい場合は、まず歯科医院で現在の被せ物と歯の状態を確認してもらいましょう。

まとめ

歯の被せ物にはさまざまな種類がありますが、それぞれ見た目や強度、費用などが異なります。治療する歯の位置や残っている歯の量、噛み合わせ、希望する見た目、予算などを踏まえて選ぶようにしましょう。

被せ物の種類に迷っている方は、それぞれのメリット・デメリットについて説明を聞き、自分の歯に適した方法を歯科医師と相談してみてください。

この記事の要点

  • 歯の被せ物(クラウン)は、虫歯などで大きく削った歯を覆い、形や機能を補うために使用する。
  • 根管治療後は、残っている歯の量や歯の位置などに応じて、土台や被せ物による修復を検討する。
  • 保険診療では金属冠や硬質レジンジャケット冠、CAD/CAM冠などがあり、CAD/CAM冠は適用できる部位や材料などに条件がある。
  • 自費診療では、オールセラミック、ジルコニア、メタルボンド、ゴールドなど幅広い材料から選択できる。
  • 被せ物は、歯の位置や残っている歯の量、噛み合わせ、見た目、費用などを考慮して選ぶことが大切。

 

■治療については下記ページをご参照ください。

詰め物・被せ物が取れた